今更だけど、デザイン思考。
少し前に「デザイン思考」という言葉が流行ったと思う。今も覚えていてくれているのだろうか。僕は大学で学んだ。にも関わらず、そんなによくわかっておらず、たびたび教授にデザイン思考で言ってたじゃんと言われる。
そんなデザイン思考について、何だったんだっけと思いを馳せてみた。
ニセ”デザイン思考”
デザイン思考は
ユーザーへの共感→問題定義→解決のためのアイデア創出→
プロトタイピング→検証→
このプロセスを回すことが大事、と言いたかったわけではないと思う。
これはとても画一的だ。
デザイナーである nendo の佐藤オオキさんは「イノベーションは画一的なシステムにするにはまだ難しい、それはデザイン思考も同じ、入り口としては良いものではあるけど」とインタビューで語っていた(”佐藤オオキ デザイン思考” で検索すると出てくる)。
そしてデザイン思考の成り立ちは、デザイナーの思考を一般の人が真似できるようにしたいという思いからだったはずだ。セミナーで聞いた。
デザイナーが「イノベーションは画一的なシステムにするにはまだ難しい」と言っているのに”画一的”でデザイナーの真似ができると思うはずがない。いわんやIDEOをや。
つまり画一的”デザイン思考”は間違えて広がったのだ。
だが巷では、間違えの方が拡散していたのだろう。
佐藤オオキさんもそっちを ホントの”デザイン思考” と勘違いして、インタビューではそんな風に言ったにちがいない。(違ったらすいません)
ホント”デザイン思考”
そこで僕なりにデザイン思考を扱っている専門書を今読んでみて思うのは
デザイン思考は、
・自分が誰を喜ばせなきゃいけないのか
・その人を理解できているのか
・その人にとって何が本当に必要なのか
・自分が考えた「その人にとって必要なもの」は独り善がりの考えになっていないか
・独り善がりになっているならば、何が足りないのか
・自分はどうすればその人が喜ぶものを作ることができるのか
こういうことを常に考えながら、仕事を、デザインをしてほしいということだと思う。
だから僕が読んだ専門書では、目的のためのプロセスを考えるところからやれって言うし、
何度も作って検証(ラピッドプロトタイピング)することが大事と言っていた。
それに今まで佐藤オオキさんのデザインをどう作ってきたかなどの本を何冊も読んでいるが、多くの手法を場合によって使い分け、組み合わせてもいた。
本当の ”デザイン思考” は目的のためのプロセスを考えるところからやる、考え方を教えていたんだ(それならデザイン”思考”という名前にも納得だし)、というのが今のところの納得できる結論。
いいと思うな。
参考文献:HCDライブラリー0巻 人間中心設計入門
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デザイン思考とかユーザビリティーとか、名前自体は大切ではなくて、それを言い出した人が何を伝えたかったかを自分で解釈することが大切なのかな。本を書いたり、記事を書いたりする人はそういうことを考えてるんじゃないかな。