【勉強用まとめ】第2回 ユーザビリティとユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインとユーザビリティという2つの似ている考え方があります。似てるので整理してみます。
それぞれの目的
「製品・サービスはそれを使うユーザーが確実に目標を達成できるようにするべき」ということをユニバーサルデザインもユーザビリティどちらも目指しています。
ユーザビリティは" 有効さ "," 効率 "," 満足度 " という3つの項目を使い、その「品質」を表すことで、ユーザーにとって使いやすい製品・サービスを目指していました。
そしてユニバーサルデザインは、下記の" ユニバーサルデザインの7つの原則 "をみると分かります。
ユニバーサルデザインの7つの原則(ロン・メイス,1997)
- 誰にでも公平に使用できること
- 柔軟に使えること
- 簡単で直感的に使えること
- 必要な情報がすぐ理解できること
- うっかりして起こしたエラーが危険につながらないデザインであること
- 心地よく、疲労を最小限に使用できること
- 接近して使えるような寸法・空間となっていること
1.誰にでも公平に使用できること 以外の原則は、結局は" ユーザビリティ " が示す「製品・サービスは使いやすいものであるべき」ということと同じことを述べています。
ユーザーが「誰にでも」か否か
ただ今までの製品・サービスは、限定した人々だけをユーザーとして想定したものが多かったのです。つまり、本来その製品・サービスを利用するであろう人々、その全てを想定しきれてなかったということです。例えばパソコンを作るとき、それを使う人は性別・年齢様々でしょうが、今までは社会人の男性だけをユーザーだと想定して作っていた、というような話です。
しかし、本来は製品・サービスを使う全ての人のためにデザインすることは当たり前のはずです。しかし、そういう事を意識せずにいると、自然と自分が想像しやすいユーザーだけを想定するようになってしまうのです。
そういう面をカバーしようとしたのがユニバーサルデザインなのではないでしょうか。そのため、" ユニバーサルデザイン " は「(製品・サービスを使う)誰にでも使いやすい」という目標を掲げる事で、本来のデザインの根底にあるべきものを提示し、作る側に意識させようとしたのでしょう。
一方、ユーザビリティ はユーザーの面までは言及していません。2つの考え方の違いを強いてあげるならばここでしょう。
まとめ
ユニバーサルデザインは7原則の2〜7までにあるように、ユーザビリティ のことも考慮しています。そしてユニバーサルデザインという考えは、これを実践する方法論については一切触れていません。
つまり、「(製品・サービスを使う)誰にでも使いやすいデザイン」という考えを根底に持ち、実際の方法をユーザビリティ のアプローチで実践していくということなのでしょう。
(参考文献:人間中心設計入門/山崎和彦・松原幸行・竹内公啓 , https://u-site.jp/lecture/20011119 ユニバーサルデザインとユーザビリティ/黒須正明)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ユニバーサルデザイン = ユーザビリティ +『「誰にでも」の理念』
というイメージ…。ユーザビリティ に足りない精神的な部分を補完したような…。
*1: 私がUXを学び始めた時も、新しいサービスを考える際、サービスの良い悪いの判断をユーザーの立場で評価すべきところを、いつの間にか自分の好き嫌いで判断してしまう事が頻繁にありました。