とりあえずブログ

ゴトウヒデキの活動記録や活動していない記録、それから考えたことをつらつらと書きます。

日本デザイン学会10.12〜14

ある日…

6時間かけて福岡に新幹線で行った。こんな長時間新幹線に乗ったことがなかったため、ヘトヘトになった。また、会場となるキャンパスを間違えてたりとハプニングもあり、初日は16:00に会場へ着くことになる男子たち…。

 

*企業とデザイナーのミスマッチ

基調講演(途中から)とパネルディスカッションのみ拝見することができた。

途中からだったが「デザイナーと事業者とのミスマッチ」の話を聞きいた。これは、デザイナーの得意分野と事業者が持つ素材・技術が合わないことで起こる悲劇を回避するという話だ。「悲劇」を具体的に言うと、全然売れないということ。しかし、これは絶対良い結果が出ないというわけではない。ただ、確実性がないということだ。しかし、実際の仕事の世界では失敗は許されないことは定石。確実性のある方を取るのだろう。

これは人が技術に合わせるように成長する「人の成長を考えた」ものではなく、効率重視で確実性がある「今まで通りに、良い結果がでる」方法だなと思いました。

社会では、挑戦する機会をことごとく「確実性のなさ」というハンマーで潰していくように見える。それについても、就職の場面で考えるべきことだなと感じた。

 

*ただハンガーから服を落としてみたい

九州大学准教授の上岡玲子先生が特に面白かった。「ただハンガーから服を落としてみたい」という発想から、物を捨てるサービスを考案したり、西表島の音を24時間受信し、都会の人の心を癒すために服に音を発する素材を織り込み、「西表島の音がする服」を作ったりするのだ。この先生は、発表で「最初の目的を見失ってたと思います」と特に後悔もしていない顔で言うので、驚きから笑ってしまった。しかも目的を見失っても別の面白いことを見つけ、そして見つけたことを別のことに応用してしまうようなのだ。この人の「常に面白いことを探し、全力で臨み、後悔しない」という姿勢はとても大事なことのように感じた。そしてそれは、「観察」という点が重要な要素だと思われる。

その姿勢は真似していきたいと思う。

 

*要素の関係性

学生発表では僕と吉岡君で発表をした。シフト制にしたので他の学生の発表を聞くこともできた。

例えば、「愛情を感じるゆりかご」というものがあり、それは自己肯定感をテーマにしていた。自己肯定感は2つの要因に分かれていて、「自分自信で自分を評価する要因」と「他人から評価してもらう要因」があると言う話だった。またそれは、「他人から評価してもらう」が高い評価になれば、もう一方の評価も上昇していく関係になっているということまで考えられていた。僕たちミツクルで言えば、「心の若さ」と「体の若さ」の関係の事だろう。しかし、僕たちはOCで指摘されてやっと「心の若さ」と「体の若さ」の関係に気づいた(自分たちで作ったのに…)。それを見て、学会で発表するには論理的なPJ進行ができて当たり前であり自分に足りないところだ、と気づくことができた。

 

*社会とデザインは繋がってるのは本当。

中京大の宮田先生に「当事者デザイン」「デザインマインド」についてのお話も聞きました。

人間は元から「道具を作る生き物」だということです。人は原始の時代から石や木から斧や槍を作っていました。このころは人類全員が自分で「作って」いました。次に「作ること」を専門でする人が現れ、自分で「作るもの」は減っていきました。やがて階級が現れ、貴族階級は全くもの「作らなく」なりました。そうして今では、自分の持っているものを自分で「作っている」人はほぼいないでしょう。そうして、自分の持っているものがどうやって「作られてる」のかわからなくなってしまいました。

それを知らないことが原因で、自分持っているものが「作られる」過程でどんなに人を苦しめていたとしても、自分には関係ないと感じるのです。そこで「デザインマインド」を持ち、「当事者」である自覚を持ってどうするべきか考える必要があるのです。

そのお話を聞いて、デザインの考えが現代の社会問題から生まれたことが面白いと感じました。おそらく、まだ自分はデザインとは社会や自分とは遠く離れた存在と感じていたのでしょう。デザインがこんなにも自分や社会と近い存在とは思ってもみませんでした。知識ではそんなこと知っていたはずでしたが、知っていた「つもり」だったと気づきました。

 

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また、パネルディスカッションで聞いた、みんなが困っていた「火山灰」を「タイル」に変えた話。これは、デザインが他人が困っているものを、役立つものをに変えられるという良い例でもあると思いました。

そしてそれを上のことと結びつけて考えるならば、『デザインというものは今現在、起こっている事実に向き合うことができる、頭の中だけの机上の空想では無い』という事例でもあると思います。

このことは、デザインという分野を勉強してる自分に大きな自信を与えたと思います。