とりあえずブログ

ゴトウヒデキの活動記録や活動していない記録、それから考えたことをつらつらと書きます。

意識の切り替え方ーまとめてみるー

書きかけのブログにモヤモヤしていた朝

今日の朝3時に眼が覚めると、布団の上には閉じたmacPCと、昨日と同じ服を着た自分がいた。昨日は布団の上で、PCからブログを書いている途中に意識を手放してしまったようだ。そのため、今日の第1目標はブログを書き上げることに決まった。

昨日は何たって気づきがあった一日だったのだ。そうして書き上げたのが12時。家を出る予定時間を大幅に超えていた。社会人だったらありえないことだ。しかし、ブログに昨日気づいたことを忘れないうちに書いたのは気分が良かった。というか、スッキリしたのだ。昨日起こったことをまとめ、整理することで、自分の中で「昨日」が終わるのを感じた。

つまり、昨日のことをまとめてしまうことで、自分の頭に「もう、そのことについては考えなくていいよ」と合図が送られたのだと思う。だからこそ、ブログが書き終わった時、別の行動を気持ちよく始められたのだろう。

終わったことは頭の中から追い出す

今日のことがあって気づいたのは、なんだか私は1つのことを考え続けてしまう癖があるらしい、ということである。これではPCでいう、古いタブやアプリを消さず、新しいものをどんどん起動していくようなものだ。夕方になるにつれ動作が重くなるに決まってる。これからは区切りたいときは、そこまでを紙やブログにまとめ、頭の中を整理し、それまでのことを頭の中から追い出していこうと思う。

そうすれば、そこまでのことは書き残した紙などにまとまっているので、考え続ける必要もないし、思考を一旦クリアにできる。気分は0からスタートだ。

佐藤オオキさんもそのようなことも言ってた気がするし、これでしばらくやってみようと思う。

 

 

 

 

教えるということ その1

今、エクスペリエンスマップ(以下EX)という体験の分析手法を後輩に教えています。

そして今日、わかった事があったのでここに記録しておこうと思います。

 

私のEXへの理解

私はこの手法を授業で学んだことがありました。ですが、完璧に理解しているとは言い難かった。そのため教科書を見返し、学び直し始めました。

実際に手法を使った体験と照らし合わせながらやったので、教科書も理解はしやすく、進みました。ここで思ったのは、本当に理解するには「感覚」と「ロジカル」の両方が必要だと実感しました。授業で実践はしているので、私はEXの「感覚」的な理解はしていました。そして今回、本を読んで「ロジカル」を学び、理解を深める事ができました。

 

一人でマッピングをしてみて

今回、一人でメルカリをEXでマッピングしました。

そうした時に気づいた事がいくつかありました。

今回はデータをユーザーが良い体験と思ったものを"赤"、悪い体験と思ったものを"青"で表わしました。そしてそれぞれをタッチポイントごとでまとめました。マップの形は"ネットワーク型"と呼ばれるものです。

これには利点が2つありました。

タッチポイントごとにまとめることで、まず、タッチポイントそれぞれの問題点や良い点がわかります。次に、ネットワーク型のマップにする事で、タッチポイントごとを繋げる事ができます。問題のあるタッチポイント同士が繋がった場合、さらに問題が出てくる事があります。例えば、メルカリの「ユーザー登録機能」には、「手軽に始められる反面マナーが悪いユーザーに出会う事が多い」という問題があります。そして、「商品の説明欄」には、「嘘が書かれることもあるが、説明文は売り手任せなので、分が少ない時は不安になる」という問題がある。それらを繋げる、つまりユーザーの中でその2つの問題が繋がった時、「メルカリというのは、知らない個人との取引をするものだから、信頼はしにくいな」とユーザーが思ってしまう問題が生まれます。これが問題が繋がることで出てくる問題です。EXはこれを見つける事ができます。一人でやってみて、それを感じました。

そうして、タッチポイントが繋がる事で出てくる問題を理解しようと、どこが繋がりそうか、繋がる事でユーザーにとってどんな問題が生まれそうかを考えると、メルカリがユーザーにさせている体験がだんだんと見えてくるのを感じました。

感じた壁

ただ、ここで壁が出てくると感じました。何かと言うと、自分たちが集めた元データです。今回集めたのは、ネットに載っていたメルカリのレビューです。そのため、ユーザーが体験するすべてが分かるとは限りません。いや、ネットだけで、全て集まる可能性は低いでしょう。メルカリを始める時、メルカリのCMなど広告も関係してそうです。しかし、そんなことについてのレビューはありません。

ネットからのデータは、簡単に手早く。広く集まるメリットがあります。しかし、その広さには所々穴があり、深いことまでは知る事ができないというデメリットも確認できました。

ホワイトボードの大きさは重要

 今回一人マッピングした時、教室にある、大きなホワイトボードで描いていました。ホワイトボードだったので、すぐに描いては消して、描いては消してをする事ができました。そのため、間違えてもいいから描き進める事ができ、楽しくマッピングをする事ができました。また、とにかく描き進める事で、描きながら思考が進んでいました。

大きいホワイトボードだったことも一因だったと思います。一枚全部使えたので、「ホワイトボードの大きさに入るように描く」という描くのを躊躇させるような事がなかったのです。ノートもそうです。ノートの大きさに入るよういつも考えてしまうので、描くのを躊躇します。「何を描くか」より「どうまとめるか」を考えてしまうのです。描く段階では、私だけかもしれませんが、「どういうレイアウトでどんなに見やすく描くか」なんてことは分かっていません。そんな風にただでさえ、フワフワしているのに、この範囲に収まるようになんて言われても、私の頭は困ります。描いていくうちに、見えてくるのです。

ホワイトボードの大きさは、人の「想像」に「制限」を感じさせないことに重要な役割を持っていると気づきました。勘違いは困るので再度書きますが、重要なのは、描くことをためらわせる制約がないことです。

 

 

 

 

 

 

 

【勉強まとめ】第5回 エクスペリエンスマッピングは何ができる?

エクスペリエンスマッピングの大まかな流れ

エクスペリエンスマッピングは、UXを実現するための手法の一つです。これを使うことで、ユーザーが製品やサービスを使う際の体験を理解することができます。そして、体験を理解することで、その製品やサービスのUXを考えた改善策を見つけます。

また個人的に思ったのが、自分が価値を感じた日常の体験をマッピングしてみれば、その体験のどこにどんな価値があったのか、新しい価値を見つけられるかもしれません。

 

体験をタッチポイントで理解する

体験を理解する、と言いますがどうすれば理解できるのでしょう。

タッチポイントという言葉はご存知でしょうか。タッチポイントとは、ユーザーと製品・サービスとの接点です。それは非常に様々なものがあります。広告メール・CM・webサイト・アプリ・販売員など、サービス側からの一方的な働きかけもあれば、ユーザーからの声も届くインタラクション型もあり、全てタッチポイントです。

体験は、タッチポイントーユーザーとサービス・製品の接点ーの連続だと考えることができます。すると、タッチポイントは体験を創り上げる基本の構成要素と言えるでしょう。そのため、タッチポイントとタッチポイント同士の繋がりを理解することが、「体験を理解する」ことに繋がるのです。

エクスペリエンスマッピングはタッチポイント・タッチポイント同士の繋がりを改善し、体験を改善していきます。

 

タッチポイント・タッチポイントの繋がりとは?

タッチポイント、そしてその繋がりをどう改善するのか。イメージがつくでしょうか?

先ほど言ったようにwebサイト・アプリ・販売員、タッチポイント自体を改善するのはなんとなくイメージできると思います。webサイト・アプリならUIや機能、販売員なら接客方法などでしょうか。

しかし、「タッチポイントの繋がり」?そもそもそれがイメージ出来にくいです。

例えば、私が入っている某携帯会社のプラン変更をwebからしようとしたとき、暗証番号が必要でした、しかし私はその暗証番号を覚えていませんでした。そのため、説明通りにコールセンターへ聞いて解決しようとしたところ、実店舗へ行き暗証番号の再設定をする必要があると言われてしまいました。当時、車も持っていなかったので休日に親に30分かけて送ってもらいやっとこさ、プランの変更ができました。

この暗証番号を忘れてしまった場合のプラン変更する際の「タッチポイントの繋がり」は、プラン変更→暗証番号→コールセンター→実店舗→暗証番号設定→プラン変更完了となると思います。

では「タッチポイントの繋がり」でどこが問題だったのか。私自身が感じたことは、webで暗証番号を再設定できず、結局実店舗まで足を運ぶことになったことです。

このようにタッチポイントからタッチポイントへ移る際にユーザーが戸惑い、ストレスを感じることがあるのです。これでは良い体験とは言えません。

 

なぜタッチポイントの問題に企業側は気づかない?

 サービスや製品は、2つの見方があります。1つはサービスや製品を作る、企業側からの見方。もう1つはサービスや製品を受け取る、ユーザー側からの見方です。

上でも書いたように某携帯会社の問題が起こった場合は全て自動コールセンターで解決手段を提示してあげればユーザーも嬉しいし、会社も楽という考えはわかります。実際、解決手段を教えてくださったのはとても助かりました。しかし、実店舗で暗証番号を再設定するしかないという解決手段自体は嬉しくなかった。なんというか…惜しかったです。

このようにユーザーのことを考えてやったはずなのに、考えきれていないことがあるのです。仕方ないです、企業はユーザーではないので。そして、それを解決するのにエクスペリエンスマッピングが有用です。

エクスペリエンスマッピングは、サービスや製品をユーザー側と企業側の両方から見ることができるので、タッチポイントの繋がりの問題に気づかせることができます。そして、ユーザーの障害を減らし、より良い体験への改善に繋がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【勉強用まとめ】第4回 UXはユーザー体験です、って説明じゃない(仮)

「体験」を喫茶店で例えると

UXを一番簡単に説明すると、「UXはユーザー体験のことである」と言えます。

しかし、その説明では「ユーザーは人かな?…でも、体験って何?」となります。

 

UXでいう「体験」を喫茶店で説明しようと思います。

今までは、人は喫茶店でコーヒーを飲むとき、「コーヒー」に400円分の価値があると考えられてきました。これは、製品やサービスという「モノ」自体に価値があるという考え方です。

そして、UXは「コーヒー」だけではなく、喫茶店に流れる音楽、椅子、マスターの接客、店内に香るコーヒーの香り、などの人が「体験」したものに400円分の価値があるという考え方です。これは、製品やサービスという「モノ」は確かに重要ではありますが、人の体験を創り上げるただの1要素に過ぎないという考え方です。

なぜなら、コーヒーがとても美味しかったとしても、マスターの接客が最悪だったり、店内BGMのセンスが最悪だったら、2度と来ないという選択も普通にあるからです。(私も落ち着いた雰囲気を求めてたのに、思いっきりのデスメタルで他に喫茶店があったら、次はそっちに行ってみようと思ってしまいます)

「体験」という言葉のイメージはこういうイメージです。ついでにいうと、体験は「コト」とも言われ、《「コト」から「モノ」へ》という呼びかけは、この考え方の変化の呼びかけのことなのです。

「ユーザー」

次は、ユーザーについて説明します。これは難しいことではありません。

「ユーザー」は、製品やサービスを使用する人のことです。ただ、使用する人の範囲には、製品やサービスを直接操作する個人のユーザーはもちろん、メンテナンス・サポートする人達もユーザーの中に入ります。

ATMでいうと、ATMを使ってお金を下ろしたり、送金したりする人はもちろんユーザーです。そして、それに加え、ATMに何かトラブルが起こった時にメンテナンスする人やサポートする人もATMを使用するためユーザーです。

 

つまり、UXはそんなユーザー達が体験することを

 

 

 

 

【勉強用まとめ】第3回 改めて、HCD(人間中心設計)とは?

 

HCDって何?手法?考え方?

HCDとは人間中心設計(human centered design)の略称です。ここでいう「人間」は、製品・サービスを使う人のことであり、人類が一番偉いとか言っているわけではありません。

また、HCDは作り手側の開発への「取り組み方」を言い表したものです。その取り組み方はその名の通り、製品やサービスを使う人を常に優先的(中心的)に考え、企画・設計・開発・デザインを行うやり方です。

 

使う人を優先しないことってある?

最近はものづくりをする際、こう言ったことを考えるのは当然のことになってきました。ただ、HCDの考え方は20世紀中頃から確立してきたものです。そのころは多くが、技術的に作りやすいもの、生産コストが少しでも安くなることを優先して製品を作っていました。そうして、できた製品が使いにくければ、使う人がそれに慣れれば良い、と考えていたのです。

そういう考えも1つの考え方です。しかし、ヒューマンエラーが起こりやすい。よって、「使う人を優先する」人間中心の考え方が広まりました。

 

HCDのプロセス

HCDはサイクルのプロセスで進めていきます。下の画像のように1〜4をめぐるようになっています。ただこのHCDサイクルは、評価をした際に必ずしも1から始める必要はありません。もしも、ユーザーの把握ができてなかったと思うなら1から修正すればいいし、ユーザーのして欲っしていることが違うと感じたなら2から修正すればいいでしょう。どこから直すかは、ユーザーを優先させることを軸に、どこを直す必要があるのか考えることが大事です。

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HCDサイクル

 

 

HCD実践の際の原則

しっかり、HCDを実践する際の原則として下記の6つが決められています。

ISO 9241-210

  1. ユーザーやタスク、環境を明確に理解し、設計する
  2. 設計から開発全体を通して、ユーザーの視点を取り入れる
  3. 設計がユーザー中心の評価により判断・実施され、修正される
  4. プロセスは反復的である
  5. 設計はユーザーエクスペリエンスの全体に焦点を当てる
  6. 設計チームは学術的で多様な視点とスキルを取り込む

順にどういうことか説明していきます。

1. ユーザーやタスク、環境を明確に理解し、設計する

ユーザーとは製品やサービスを使う全ての人のことです。製品やサービスを使う人を優先して企画・設計・開発・デザインを行う「HCD」では、ユーザーを判断基準として考えていきます。そのため出来るだけ具体的に事細かく、開発する人たち全員がユーザーを思い浮かべられるようになる必要があります。

例えば、新しく「エクササイズをサポートする」アプリを開発することになったとします。その場合、どんなユーザーがどんな時にどんな状況で、「エクササイズアプリ」を使うのかを調査する必要があります。それを知ることで、設計している製品・サービスが調査したユーザーが本当に必要としているか、使ってくれるかを判断します。

 

2. 設計から開発全体を通して、ユーザーの視点を取り入れる

ユーザーの視点を取り入れると言っても、開発チームにユーザーを入れなければいけない訳ではありません。ただ、どれだけユーザーについて把握し開発したとしても、やはりユーザーに直接確認できた方がよいのです。

 

3. 設計がユーザー中心の評価により判断・実施され、修正される

2 のようにユーザーに参加してもらえない場合も現実にはあります。その場合においても、あくまで 1 を実践し、ユーザーの立場で評価することが必要です。この評価をすることで、設計している製品やサービスがユーザーの欲しいものとズレることを避けられます。

 

4. プロセスは反復的である

「プロセスを繰り返す」ことが原則になっているということは、繰り返す前提の開発スケジュール・ 3 で発見するズレを修正していくこと、それが重要だと言っているのでしょう。

 

5. 設計はユーザーエクスペリエンス(以下、UX)の全体に焦点を当てる

HCDのプロセスを適用する目的は、ユーザーに合った良いUXを実現するためです。UXを説明しますと、ユーザーが製品・サービスを利用する際に経験すること全てのことです。例えば「車」の場合、買う前から、買って乗ってる最中、乗った後までの一連の流れが「体験」です。そこまでを考えて設計する必要があります。

 

6. 設計チームは学術的で多様な視点とスキルを取り込む

 これはチームメンバーの構成について言及しています。ユーザーのことを第一に考えられるのが理想ですが、技術的な問題やビジネスの都合が優先されてしまうことが多いそうです(確かにそういう場面は何度か見ました)。そのため、UXの質を落とさないよう、その手の専門家が必要です。またHCDの実現には、ユーザーの理解をし、それを全ての工程で評価の軸とするため、工程に関わる人全員が始めからチームに関わることも重要です。

 

まとめ

HCDはものづくりの際の哲学であり、方法論でもあります。ただHCDで大切なことは原則・プロセスがどうのこうの、というよりは「技術中心ではなく、人間中心のものづくりの考え方こそ大切」という哲学の部分だと感じます。原則に関しては、1度改定していますし。そして、ユーザビリティもUXもその根幹には、ユーザーを優先させて考えるという「HCD」の哲学があるのは間違いありません。つまり、HCDは新しいものづくりの時代のテーマであり、ユーザビリティもUXもデザイン思考もそのテーマを実現させるための一種の考え方である、と言えるのではないか。

 

 

(参考:UXデザインの教科書/安藤昌也 , 人間中心設計入門/山崎和彦・松原幸行・竹内公啓)

 

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ユーザビリティ は「製品自体の品質を良くし、ユーザーの目標を確実に正確に達成させる」ことを目的とします。

対してUXは「製品自体の品質を良くし、目標を達成させるのは当然だけど、それよりもユーザーに良い体験をさせる」ことを目的としています。

つまり、ユーザビリティ は製品の質でユーザーのタスク処理を、UXはユーザーの感情を重視する考え方だということでしょう。良いUXを実現する要素の一つに、良いユーザビリティ (品質)があると思います。よって、HCDを実現するにはどちらも大切です。

 

 

 

【勉強用まとめ】第2回 ユーザビリティとユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインユーザビリティという2つの似ている考え方があります。似てるので整理してみます。

それぞれの目的

「製品・サービスはそれを使うユーザーが確実に目標を達成できるようにするべき」ということをユニバーサルデザインユーザビリティどちらも目指しています。

 

ユーザビリティは" 有効さ "," 効率 "," 満足度 " という3つの項目を使い、その「品質」を表すことで、ユーザーにとって使いやすい製品・サービスを目指していました。

そしてユニバーサルデザインは、下記の" ユニバーサルデザインの7つの原則 "をみると分かります。

ユニバーサルデザインの7つの原則(ロン・メイス,1997)

  1. 誰にでも公平に使用できること 
  2. 柔軟に使えること
  3. 簡単で直感的に使えること
  4. 必要な情報がすぐ理解できること
  5. うっかりして起こしたエラーが危険につながらないデザインであること
  6. 心地よく、疲労を最小限に使用できること
  7. 接近して使えるような寸法・空間となっていること 

1.誰にでも公平に使用できること 以外の原則は、結局は" ユーザビリティ  " が示す「製品・サービスは使いやすいものであるべき」ということと同じことを述べています。

 

ユーザーが「誰にでも」か否か

ただ今までの製品・サービスは、限定した人々だけをユーザーとして想定したものが多かったのです。つまり、本来その製品・サービスを利用するであろう人々、その全てを想定しきれてなかったということです。例えばパソコンを作るとき、それを使う人は性別・年齢様々でしょうが、今までは社会人の男性だけをユーザーだと想定して作っていた、というような話です。

 

しかし、本来は製品・サービスを使う全ての人のためにデザインすることは当たり前のはずです。しかし、そういう事を意識せずにいると、自然と自分が想像しやすいユーザーだけを想定するようになってしまうのです。

*1

 

そういう面をカバーしようとしたのがユニバーサルデザインなのではないでしょうか。そのため、" ユニバーサルデザイン " は「(製品・サービスを使う)誰にでも使いやすい」という目標を掲げる事で、本来のデザインの根底にあるべきものを提示し、作る側に意識させようとしたのでしょう。

一方、ユーザビリティ はユーザーの面までは言及していません。2つの考え方の違いを強いてあげるならばここでしょう。

まとめ

ユニバーサルデザインは7原則の2〜7までにあるように、ユーザビリティ のことも考慮しています。そしてユニバーサルデザインという考えは、これを実践する方法論については一切触れていません。

つまり、「(製品・サービスを使う)誰にでも使いやすいデザイン」という考えを根底に持ち、実際の方法をユーザビリティ のアプローチで実践していくということなのでしょう。

 

(参考文献:人間中心設計入門/山崎和彦・松原幸行・竹内公啓 , https://u-site.jp/lecture/20011119 ユニバーサルデザインユーザビリティ/黒須正明)

 

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ユニバーサルデザイン = ユーザビリティ +『「誰にでも」の理念』

というイメージ…。ユーザビリティ に足りない精神的な部分を補完したような…。

 

*1:  私がUXを学び始めた時も、新しいサービスを考える際、サービスの良い悪いの判断をユーザーの立場で評価すべきところを、いつの間にか自分の好き嫌いで判断してしまう事が頻繁にありました。

【勉強用まとめ】第1回ユーザビリティ とは

卒論のテーマが決まらないので、一度今まで勉強したことを振り返ることで決めよう、と言う考えで書き始めました。

ユーザビリティ 」は様々な研究者に様々な定義や提案がされてきた。ただ、多くの人と共通の理解ができてなければ意味がないと思うので、現在ほぼ標準な定義である国際規格 ISO9241-11 でまとめていきます。

 

ユーザビリティの定義

ユーザビリティ は、「ユーザーが製品やサービスの機能を発揮させるために、どれほど簡単に製品の操作を行えるか」を表す用語です。つまり、製品やサービス自体の品質を指します。インクがよく擦れてしまうプリンター、縫合がおかしくてチャックが完全に閉まらない財布は、ユーザビリティは低いでしょう。

これは、「使いやすさ」とは違います。使いやすさは主観的なもので、使う人によって異なります。しかし、製品やサービス自体の品質は客観的なものであり、多くの人が共通して感じることです。

これができている製品やサービスは、ユーザーに好まれ長く使ってもらえる可能性が高まるでしょう。

(「ユーザビリティが高いものがいい」って言うけど、つまりは品質がいいものはやっぱり買ってもらえるし、好かれやすいよね。ってこと。そして今までふわふわしていた「品質」という言葉を定義づけしたのが「ユーザビリティ」。)

 

ユーザビリティの3つの要素

ユーザビリティは3つの要素から、高いか低いかを判断します。

それは「有効さ」「効率」「満足度」です。

順に説明しましょう。

 

有効さ

「有効さ」は、ユーザーが行いたい目標を 、製品・サービスがどれほど正確に・完全(目標の何割ができるか)に達成できるかで判断します。

ex)プリンターが写真を印刷するとき、一切歪みも色飛びもなく、撮った通りのものが出てきたら、有効さは良いでしょう。

 

効率

 「効率」は、ユーザーが目標を正確に・完全に達成するためにどれくらいの時間・金額で達成できるか。

ex)a3サイズを100枚コピーするのに3分以内でできた、さらにその1枚あたりの印刷は約6.8円、でしたら効率は高いでしょう。

 

満足度

 ユーザビリティ、製品・サービスの「品質」なので、UXのようにユーザーの感情については考慮してません。にも関わらず、感情を考慮するような名前の「満足度」と言う項目があります。ただ、この満足度と言う項目は、製品・サービスを使った際のUX視点の体験の満足度ではありません。

 

ーーー満足度の定義は、「不快さのないこと、及び製品仕様に対しての肯定的な態度」となっている。ここでは、不快さのないことが先に述べられていて、「使うのが嫌にならない程度ではないか」「最低限使えるかどうか」が主眼である。ーーー

 

つまり、「満足度」は製品・サービスの「品質」が最低限、利用のレベルにあるかどうかを判断する項目のことです。終始、ユーザビリティは客観的なものであるはずなので、その「満足度」も多くの人が使ってみて不自由を感じないで、最低限のことはできるかどうかが判断材料だと考えられます。

ex)5分ずれる時計、水が靴底から入ってくる長靴は満足度は低いと言えるでしょう。

 

まとめ

「製品・サービス はユーザーが自分の目標を確実に達成できるようにするもの」という考えがユーザビリティ の目指すものです。

そして、それを実現するために有効さ・効率・満足度 "の3つの項目を高めます。そうすることで、ユーザーが少しでも目標を確実に達成しやすくなるようにする。この、「目標の達成しやすさ」が使いやすさといわれるものであり、製品・サービスの品質というものです。

 

(参考:UXデザインの教科書/安藤昌也 , 人間中心設計入門/山崎和彦・松原幸行・竹内

公啓)

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ユーザビリティはUX(ユーザー体験)の要素の一つです。製品・サービスはユーザーに目標達成のため使ってもらうことはできますが、目的は達成でません。ユーザーの目的が「プレゼンを成功させたい」の場合、製品のプリンターができるのは「早く、正確に、綺麗に資料を印刷する」と言う目標まで、です。

「プレゼンを成功させたい」と言う目的が達成したか否かは、ユーザー本人が判断するもので、主観でしかありません。ですが、ユーザビリティが高ければ、UXを実現できる可能性を高めることはできます。様々な要素のレベルを高め、ユーザーの目的を達成する体験を良いものにします。