とりあえずブログ

ゴトウヒデキの活動記録や活動していない記録、それから考えたことをつらつらと書きます。

教えるということ その1

今、エクスペリエンスマップ(以下EX)という体験の分析手法を後輩に教えています。

そして今日、わかった事があったのでここに記録しておこうと思います。

 

私のEXへの理解

私はこの手法を授業で学んだことがありました。ですが、完璧に理解しているとは言い難かった。そのため教科書を見返し、学び直し始めました。

実際に手法を使った体験と照らし合わせながらやったので、教科書も理解はしやすく、進みました。ここで思ったのは、本当に理解するには「感覚」と「ロジカル」の両方が必要だと実感しました。授業で実践はしているので、私はEXの「感覚」的な理解はしていました。そして今回、本を読んで「ロジカル」を学び、理解を深める事ができました。

 

一人でマッピングをしてみて

今回、一人でメルカリをEXでマッピングしました。

そうした時に気づいた事がいくつかありました。

今回はデータをユーザーが良い体験と思ったものを"赤"、悪い体験と思ったものを"青"で表わしました。そしてそれぞれをタッチポイントごとでまとめました。マップの形は"ネットワーク型"と呼ばれるものです。

これには利点が2つありました。

タッチポイントごとにまとめることで、まず、タッチポイントそれぞれの問題点や良い点がわかります。次に、ネットワーク型のマップにする事で、タッチポイントごとを繋げる事ができます。問題のあるタッチポイント同士が繋がった場合、さらに問題が出てくる事があります。例えば、メルカリの「ユーザー登録機能」には、「手軽に始められる反面マナーが悪いユーザーに出会う事が多い」という問題があります。そして、「商品の説明欄」には、「嘘が書かれることもあるが、説明文は売り手任せなので、分が少ない時は不安になる」という問題がある。それらを繋げる、つまりユーザーの中でその2つの問題が繋がった時、「メルカリというのは、知らない個人との取引をするものだから、信頼はしにくいな」とユーザーが思ってしまう問題が生まれます。これが問題が繋がることで出てくる問題です。EXはこれを見つける事ができます。一人でやってみて、それを感じました。

そうして、タッチポイントが繋がる事で出てくる問題を理解しようと、どこが繋がりそうか、繋がる事でユーザーにとってどんな問題が生まれそうかを考えると、メルカリがユーザーにさせている体験がだんだんと見えてくるのを感じました。

感じた壁

ただ、ここで壁が出てくると感じました。何かと言うと、自分たちが集めた元データです。今回集めたのは、ネットに載っていたメルカリのレビューです。そのため、ユーザーが体験するすべてが分かるとは限りません。いや、ネットだけで、全て集まる可能性は低いでしょう。メルカリを始める時、メルカリのCMなど広告も関係してそうです。しかし、そんなことについてのレビューはありません。

ネットからのデータは、簡単に手早く。広く集まるメリットがあります。しかし、その広さには所々穴があり、深いことまでは知る事ができないというデメリットも確認できました。

ホワイトボードの大きさは重要

 今回一人マッピングした時、教室にある、大きなホワイトボードで描いていました。ホワイトボードだったので、すぐに描いては消して、描いては消してをする事ができました。そのため、間違えてもいいから描き進める事ができ、楽しくマッピングをする事ができました。また、とにかく描き進める事で、描きながら思考が進んでいました。

大きいホワイトボードだったことも一因だったと思います。一枚全部使えたので、「ホワイトボードの大きさに入るように描く」という描くのを躊躇させるような事がなかったのです。ノートもそうです。ノートの大きさに入るよういつも考えてしまうので、描くのを躊躇します。「何を描くか」より「どうまとめるか」を考えてしまうのです。描く段階では、私だけかもしれませんが、「どういうレイアウトでどんなに見やすく描くか」なんてことは分かっていません。そんな風にただでさえ、フワフワしているのに、この範囲に収まるようになんて言われても、私の頭は困ります。描いていくうちに、見えてくるのです。

ホワイトボードの大きさは、人の「想像」に「制限」を感じさせないことに重要な役割を持っていると気づきました。勘違いは困るので再度書きますが、重要なのは、描くことをためらわせる制約がないことです。